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 VOICE vol.2 目次
●プロフィール●
淡谷まり子
弁護士
1947年8月8日生。1969年10月の早稲田大学法学部在籍中に司法試験合格。翌年3月に同大学を卒業。1972年4月に弁護士登録し、1976年9月に「淡谷法律事務所」を開設。現在は、東京家庭裁判所調停委員を務める。今までに、一般民事・刑事事件、離婚等の家事事件、スモン訴訟等の薬害・医療過誤事件など、多くの事件を手掛けてきた。また、女性弁護士として、女性の社会参加についても研究し、発信してきた。自販機における未成年者対策問題についても、10年以上前から取り組んでいる。著書には「女の出番」(日本書籍)、「女の生き方法律相談」(主婦と生活社)などがある。
たばこ屋さんの経営判断に委ねられた。
コンビニエンスストアやスーパーで買えばって事に
なりませんか?
自販機における未成年者対策問題について、10年以上前から取り組んでおられる弁護士の淡谷先生に、様々な角度の視点から語って頂きました。
 ◇2008年に開始される未成年者対策◇
たばこにたばこカードが導入され、制度の導入後は、たばこカードがなければ自販機でたばこが購入できなくなるということです。たばこカード対応の自販機でたばこを買う際には、まずこのたばこカードで本人確認を受け、それからお金を入れて購入するという段取りになるとのこと。たばこ1つ買うのに、いつもたばこカードを持ち歩かなければならないなんて、正直に言って、ずい分面倒くさいなという気がします。
しかもこのたばこカードは、喫煙者が運転免許証や住民票などの身分証明書を添えて申請しなければ、入手できないというのです。日本全国には何千万人かの喫煙者がいるはずですが、一体何人の人が、こんな面倒な思いをしてまでたばこカードを手に入れようと考えるでしょうか。たぶん、大多数の人は、「たばこカードがなければ自販機で買えないのなら、コンビニやスーパーで買えばいいや」と考えるのではないでしょうか。
 ◇対策は大切。でも、成人の立場で考えると…◇
たばこカードの導入は、未成年者のたばこ購入を防止するためだと説明されています。確かに、未成年者が酒やたばこを簡単に入手できないようにするのは、大事なことですし、酒やたばこを販売する者は、そのための配慮をする必要があります。ただ、このたばこカードの導入が、それに最もふさわしい方法なのかは、いささか疑問です。
その理由の第一は、購入者の便宜やプライバシーに対する配慮に欠けていることです。たばこカードの入手に当たって、重要な個人情報が記載されている運転免許証や住民票を提出しなければならないというのは、購入者にたばこカードの利用そのものをためらわせる大きな要因になります。クレジットカードで買い物をする場合は、一時的な借金をするのですから、個人情報を明らかにするのもやむ得ませんが、たかが数百円の買物を現金でするのに、なぜ個人情報まで明らかにしなければならないのか、誰もが疑問を感じるのではないでしょうか。
さらに、たばこカードの取得に当って提供した個人情報が、その後どのように管理されるのかも、とても気になるところです。現在は株式会社組織となった日本たばこ産業が、これらの情報をどう管理し、利用するかについての説明は、全くなされていません。
 ◇貸し借りまで、規制はかけられないですよね◇
他にもたばこカードが問題だと思う点は、入手の手続きが面倒なわりに、簡単に人にあげたり貸したりすることができることです。私たちは、キャッシュディスペンス機能のある銀行のカードやクレジットカードを、人に貸すことはありませんし、管理にもそれなりに気を使います。でも、たばこのたばこカードの場合には、カードを持っていない友人が、一緒に食事をしている際に「ちょっと貸して」と言えば、気軽に貸してあげると思います。借りてそのまま返すのを忘れるということも、少なくないでしょう。そうなると、たばこカードは持ち主の手を離れて利用されることになり、本来の目的は達せられないことになります。
結局、たばこのたばこカードは、利用者に面倒を強いるわりには、利便性や実効性は今ひとつ、という制度だと言わざるを得ません。
 ◇具体的な方法は、法律で指定されていないですよ◇
たばこの小売店の経営者は、このたばこカードの導入によって、自販機の売上が大きく減少するのではないかと心配する一方、たばこカード対応型の自販機を導入しなければ、未成年者のたばこ購入を容認していると見られのではないかと、懸念しているとのことです。しかし、未成年者喫煙禁止法で、たばこの販売業者に課されているのは、未成年者の喫煙を防止するために「年齢の確認その他の必要なる措置を講ずる」ことで、具体的な方法まで、法律で指定されているわけではありません。
従って、未成年者の購入を防止するための対策が講じられていれば、たばこカード対応以外の自販機を設置し、たばこを販売することは、小売店の自由と言えます。もちろん、日本たばこ産業には、たばこカード型の自販機の設置を強制する権利もありません。どのような形で未成年者対策を行い、どのような形態の自販機を設置するかは、個々の小売店の「経営判断」に委ねられているのです。
自販機は便利なものですが、顧客が利用してくれてこそ、意味があるものです。どのような形でたばこを販売し、どのような自販機を活用していくか、これから小売店の選択と判断が問われることになるでしょう。
フジタカはTIOJ様のたばこカード方式には、一切反対しておりません。
成人識別は、たばこ店様や利用者が市場原理に基づき判断するものと考えます。

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