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ドローン着陸時に知っておきたい「ボルテックスリングステート」と「地面効果」

目次

ドローンの飛行には高度な技術が有しますが、特に着陸時にはさまざまな空気力学的な現象が発生します。

その中でも「ボルテックスリングステート」と「地面効果」は、安全で安定した飛行に欠かせない知識になります。これらの現象を理解することで、ドローンの飛行リスクを減らし、より正確で安全な操縦を目指しましょう。

飛行するドローンの写真

ボルテックスリングステートとは?

「ボルテックスリングステート」(Vortex Ring State、VRS)は、ドローンが着陸する際、特定の条件下で発生する現象です。

簡単に言えば、ローターが作り出す下降気流の中で、機体が自らの乱気流に巻き込まれる状態です。

機体を垂直降下させる時に起こる現象

≪主な発生条件≫

  1. 1.【垂直降下しているとき】

    ドローンが前進せずに、ほぼ垂直に下降している状態で発生しやすくなります。

  2. 2.【前進速度が遅いとき】

    前方や側方への速度がほとんどない場合、ローターが作り出す下降気流に機体が巻き込まれやすくなります。

  3. 3.【特定の高度と下降速度の組み合わせ】

    高度が比較的低く、ゆっくりと降下しているときに発生しやすくなります。

    特にローターの風が再度ローターに吸い込まれる状態が生まれると発生します。

これらの条件が揃うと、急激に揚力を失い、ドローンのコントロールが難しくなる事があります。

≪対処法≫

ドローンがボルテックスリングステートから逃れるための具体的な操縦方法は、以下の3つです。

  1. 1.【斜めに移動しながら下降する】

    ドローンを垂直に降下させず、斜めに降下します。

    これにより、ローターの下降気流から機体を離脱させ、安定した飛行を維持できます。

    ドローンが斜めに移動しながら下降する図
  2. 2.【らせん状に下降する】

    ドローンを旋回させながら、円を描くように徐々に高度を下げます。

    これにより、機体が下降気流に入り込むのを防ぎます。

    ドローンがらせん状に下降する図
  3. 3.【木の葉が落ちる様に下降する】

    ドローンを小刻みに左右に振りながら下降させる方法です。

    木の葉がひらひらと揺れ落ちるように、下降気流の中に長時間留まらないようにします。

    ドローンが木の葉が落ちる様に下降する図

地面効果とは?

「地面効果」とは、ドローンが地面に近づいた際に、ローターの下にある空気が地面に反射し、一時的に機体の浮く力(揚力)が増し、着陸しにくくなる現象。

ダウンウォッシュが地面の上に溜まりプロペラ下部に空気のクッションができる。着陸時にこの現象に遭遇した場合、クッション性を強く感じます。機体を前後左右に移動しながら着陸を試みると回避できます。
  • ≪発生条件≫

    • ローター(直径)の大きさ以下の高度

      ドローンが地面に接近すると、地面がローターの空気の流れを反射し、揚力を増強します。

    • 静止または低速飛行時

      着陸直前やホバリング中に最も顕著に現れます。

  • ≪影響≫

    地面効果によって、機体が安定しやすくなりますが、同時に、着陸を難しく感じることもあります。

    機体が突然浮いたり、反動でホバリングし続けるような動きが発生するため、着地が難しくなることがあります。

  • ≪対処法≫

    • 着陸時は一定の距離を保つ

      一度上昇したら地面効果が発生する距離以上地面から離れる。

    • 離着陸時の速度管理

      離着陸の際は出来るだけホバリングはせず、一定のスピードで上昇下降を試し見る。

まとめ

ボルテックスリングステートと地面効果は、ドローンの着陸時に重要な空気力学現象です。ドローンを操縦するには、これらの現象に対処するための適切な操作方法を日頃から身につけることが大切です。

Fujitakaドローンパイロットスクールでは、経験豊富なインストラクターからドローン操縦の基本知識や技術をじっくりと学ぶことができますので、まずはお気軽にお問合せ下さい。

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