きちんと理解できていますか?高圧電力契約の仕組み
どんどん上がる電気代。そんな電気代を少しでも削減したいと考える経営者様も多いと思います。
しかし、どのようにして電気料金が決定されているのか知らないまま省エネ対策をしていませんか?
電気代削減をしたいならまずはその仕組みを知ることから!
ということで、今回は法人の電力契約プランの中でも特に複雑な「高圧電力契約」について解説します。
目次
契約の種類
下記の図は一般的な法人の契約を簡単に表したものです。
この図からわかるように電気の契約は低圧電力契約、高圧電力契約、特別高圧電力契約の3つにわかれています。
まず、低圧電力契約は電力量50kW未満が対象であり、小規模小売店や飲食店などが当てはまります。
次に高圧電力契約は電力量50~2000kw未満が対象であり、中小ビルや中小規模の工場、病院などが当てはまります。
最後に特別高圧電力契約は2000kw以上が対象であり、大規模工場、デパート、オフィスビル等が当てはまります。
見分け方
どの契約をしているかわからない場合の見分け方は2つあります。
1つ目はキュービクル↓の有無を確認する方法です。
高圧電力契約と特別高圧電力契約にはキュービクルと呼ばれる変圧設備が必要です。そのため、キュービクルが設置されている施設は高圧電力契約だと言えます。
2つ目は電気料金の請求書を確認する方法です。
電力会社によって名称が違いますが、「契約種別」の欄に「低圧」や「高圧」という記載があると思います。もしそのような記載がない場合は配給電圧を確認し、6kV(6,000V)以上であれば高圧電力契約です。
高圧電力契約の注意点
冒頭でも述べた通り、特に注意が必要なのが高圧電力契約です。
高圧電力契約は50kw~2000kwが対象ですが、その中でも区分があり、基本料金の決め方が異なるからです。
高圧電力契約の区分
まず、区分に関してですが、50~500kw未満が「小口」、500kw~2000kw未満が「大口」とされています。
小口の場合は基本料金決定の際に「実量制」が、大口の場合は「協議制」が採用されています。
実量制について
まず、実量制について説明します。
こちらは直近12か月間における一番高い30分間、いわゆる「最大需要電力(デマンド値)」で基本料金を決定する方法です。
電力会社は下記の図のように毎月30分間のうち最も高い電力量を計測しています。
例えばこの図で言うと、8月が100kWと最も高いデマンド値になっています。
そうすると、このデマンド値が基準となり契約電力及び基本料金が決まるので、他の月にいくら使用電力量を抑えたとしても、100kwの基本料金を支払っていくことになります。
つまり、このデマンド値を抑えられれば基本料金が下がり、全体的に電気代削減が実現するのです。
協議制について
続いて、協議制とは電力会社との協議によって基本料金を決定する方法です。
年に1回、電力会社と「使用する負荷設備」「受電設備の内容」などの内容をふまえて協議します。
※負荷設備:使用する設備のモーター容量のこと
※受電設備:キュービクル(高い電圧を施設等で使用できる電圧に変換する機械などを収めた設備)
協議制では月ごとのデマンド値が契約電力を超えると、通常より割増しの違約金を電力会社に支払うことになります。
まとめ
高圧電力契約についてお話ししましたが、いかがでしたか?
ポイントをまとめると下記の通りです。
- 高圧契約のなかでも「小口」と「大口」に区分されている
- 基本料金の決定において小口は「実量制」が採用されており、大口は「協議制」が採用されている
- 毎月の電気代を削減するには基本料金を下げること、つまり、デマンド値を下げることがポイント
今後も省エネに関するお役立ち情報を定期的に発信していきます。
お楽しみに!